ステップ A4-1-1

数列の極限

この ページで まなぶ こと

  • 「限りなく近づく」の意味と lim の記号がわかる
  • 基本の極限(1/n → 0、等比 rⁿ)と極限の計算ができるようになる

nを限りなく大きくしたとき aₙ が一定の値αに限りなく近づくなら、lim aₙ = α(収束)。基本は 1/n → 0 と、|r| < 1 のとき rⁿ → 0。分母・分子を n でわるのが計算の定石。

届かないのに、行き先はある

数列 1/2、1/4、1/8、1/16、…(公比 1/2 の等比数列)を追いかけてみよう。どの項も0ではない。この先どれだけ進んでも、0そのものにはならない。

でも、10項目で約0.001、20項目で約0.000001——0との距離はいくらでも小さくできる。この状況を「限りなく0に近づく」といい、こう書く:

\[\lim_{n \to \infty} \left(\frac{1}{2}\right)^n = 0\]

lim は limit(極限)、∞は「限りなく大きく」の記号。「行き先が値αに定まる」とき数列は収束するという。届くかどうかではなく、行き先がどこか——視点の転換が極限のすべてだ。

基本の極限を2つ、体で覚えよう:

\[\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n} = 0 \qquad |r| < 1 \text{ のとき } \lim_{n \to \infty} r^n = 0\]

一方、aₙ = n や aₙ = 2ⁿ はどこまでも大きくなる(発散する、∞と書く)。1、−1、1、−1、…のように行き先が定まらない数列も収束しない。

極限の計算 — nでわる定石

例1 :aₙ = (2n + 1)/n の極限は?

\[\frac{2n + 1}{n} = 2 + \frac{1}{n} \longrightarrow 2 + 0 = 2\]

例2 :aₙ = (3n + 2)/(n + 1) の極限は? 分母・分子を n でわって——

\[\frac{3 + 2/n}{1 + 1/n} \longrightarrow \frac{3 + 0}{1 + 0} = 3\]

∞/∞ の形は、そのままでは判定できない。分母の主役(いちばん大きく育つ項)でわって、1/n の形をあぶり出す——これが定石だ。

検算:n = 1000 を代入してみる。3002/1001 ≒ 2.999 ✓ たしかに3に近い。

例3 :0.999…(9が無限に続く)の正体は?

0.9、0.99、0.999、…という数列の極限だ。1との差は 1/10ⁿ → 0。つまり 0.999… = 1。「ほとんど1」ではなく、極限の定義のもとでちょうど1——N4の循環小数の謎に、極限が最終回答を出した。

よくあるまちがい

その1:「限りなく近づく」を「いつか等しくなる」と読む。 1/n はどのnでも0ではない。極限の主張は「差をいくらでも小さくできる」であって「到達する」ではない。

その2:∞ を数のように計算する。 「∞ − ∞ = 0」「∞/∞ = 1」は誤り。n² − n も n − n² も ∞ − ∞ の形だが、行き先は +∞ と −∞ で正反対。形を見たら変形してから極限をとる。

れんしゅう

Q1 きほん

lim (n→∞) 1/n = ?

Q2 きほん

lim (n→∞) (5 + 1/n) = ?

Q3 きほん

lim (n→∞) (1/2)ⁿ = ?

Q4 ふつう

lim (n→∞) (2n + 1)/n = ?

Q5 ふつう

lim (n→∞) (3n + 2)/(n + 1) = ?

Q6 ふつう

数列 1、−1、1、−1、… は?

Q7 チャレンジ

lim (n→∞) (4n² + n)/n² = ?

もっと れんしゅう

ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。