ステップ L1-1-1
行列の意味と和・スカラー倍
この ページで まなぶ こと
- 行列の型と成分の読み方がわかる
- 行列の和・差・スカラー倍を計算できるようになる
数を長方形にならべたものが行列。横のならびが行、たてが列。m行n列なら m×n 型。和・差・スカラー倍は成分ごと——ベクトルの計算と同じ精神。
数の表に、演算を与える
2つの店の、2品目の売上表を考えよう。
\[A = \begin{pmatrix} 3 & 1 \\ 4 & 2 \end{pmatrix}\]このように数を長方形にならべ、かっこでくくったものが行列だ。横のならびを行(上から第1行、第2行)、たてのならびを列(左から第1列、第2列)という。行がm本、列がn本なら m×n型。上の行列は 2×2 型(正方行列)だ。
第i行・第j列の数を (i, j) 成分と呼ぶ。Aの (1, 2) 成分は1、(2, 1) 成分は4。行が先、列が後——「行ってから列ぶ」と覚えよう。
和・差・スカラー倍 — 成分ごとに
昨日の売上Aと今日の売上B、2日分の合計は? 当然、同じ場所どうしをたす。
\[\begin{pmatrix} 3 & 1 \\ 4 & 2 \end{pmatrix} + \begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 0 & 3 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 4 & 3 \\ 4 & 5 \end{pmatrix}\]差も同様に成分ごと。スカラー倍(数を掛ける)は全成分に掛ける:2A は各成分が2倍。
……ベクトルの成分計算(G5)とまったく同じ精神だ。実際、n×1 型の行列(たての1列)は列ベクトル——ベクトルは行列の特別な場合だったのだ。
例1 :3A − B(上のA、B)の (2, 2) 成分は 3 × 2 − 3 = 3。
和が定義できるのは同じ型どうしだけ。2×2 と 2×3 はたせない——表の形が合わないものを重ねられないのは、当然の約束だ。
ゼロ行列 — 行列の「0」
全成分が0の行列をゼロ行列 O という。A + O = A——数の0と同じ役割。数の世界の道具(0、1、逆数…)を行列の世界に一つずつ移植していくのが、この章の道筋だ。「1にあたる行列」は次のステップで登場する。
よくあるまちがい
その1:行と列の取りちがえ。 (1, 2) 成分は「第1行・第2列」。転んでも「行が先」。型の読み「m×n」も行数が先だ。
その2:型のちがう行列をたす。 2×2 + 2×3 は定義されない。計算の前に型を確認——行列の世界の「単位チェック」だよ。
れんしゅう
A = [[3, 1], [4, 2]] の (1, 2) 成分は?
A の (2, 1) 成分は?
[[3, 1], [4, 2]] + [[1, 2], [0, 3]] の (2, 2) 成分は?
2 × [[3, 1], [4, 2]] の (2, 1) 成分は?
[[5, 2], [1, 3]] − [[2, 2], [1, 1]] の (1, 1) 成分は?
2×2型と2×3型の行列の和は?
3A − B、A = [[3, 1], [4, 2]]、B = [[1, 2], [0, 3]] の (1, 2) 成分は?
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!