ステップ P2-2-1

条件付き確率

この ページで まなぶ こと

  • 条件付き確率 P_A(B) を表や数え上げで求められるようになる
  • 乗法定理 P(A∩B) = P(A) × P_A(B) をつかえるようになる

「Aが起きたとわかったうえでのBの確率」が条件付き確率 P_A(B) = P(A∩B)/P(A)。世界がAの中に縮んだと考えて、分母をAに取り直す。

情報は確率を変える

52枚のトランプから1枚引く。それがハートである確率は 13/52 = 1/4。

ここで「引いたカードはだった」と教えてもらえたら? 赤は26枚で、そのうちハートは13枚。確率は 13/26 = 1/2 に跳ね上がる。

情報が増えると、考えるべき「全体」が縮む。「Aが起きたとわかったうえで、Bが起こる確率」を条件付き確率といい、P_A(B) と書く。

\[P_A(B) = \frac{P(A \cap B)}{P(A)} = \frac{n(A \cap B)}{n(A)}\]

分母が「全体」からAに取り替わる——それだけだ。(A∩BはS1で学んだ共通部分:AもBも起こること。)

例1 :ある学級40人のうち、めがねの人が16人、めがねで左ききの人が4人。めがねの人の中から1人選ぶとき、左ききである確率は?

世界は「めがねの16人」に縮んでいる。P = 4/16 = 1/4

乗法定理 — 「順に起こる」をかけ算で

定義の式を変形すると——

\[P(A \cap B) = P(A) \times P_A(B)\]

「AそしてB」の確率は、「Aの確率」×「Aが起きたうえでのBの確率」。前のたんげんで、くじを順に引いたときのかけ算 3/10 × 2/9 は、じつはこの乗法定理を使っていたんだ。

例2 :10本中3本当たりのくじを順に2本引く(もどさない)。2本とも当たりの確率は?

\[P = \frac{3}{10} \times \frac{2}{9} = \frac{1}{15}\]

1本目を引いたあと、世界は「残り9本・当たり2本」に更新されている——2/9 は条件付き確率そのものだ。

例3 :1本目が外れ、2本目が当たりの確率は?

\[P = \frac{7}{10} \times \frac{3}{9} = \frac{7}{30}\]

逆向きの質問 — 原因の確率

例4 :ある工場で、製品の60%を機械Aが、40%を機械Bが作る。不良率はAが1%、Bが3%。製品から1つ選んだら不良品だった。それがA製である確率は?

不良品の内訳を数えよう(1000個作ったとして):A製の不良 600 × 0.01 = 6個、B製の不良 400 × 0.03 = 12個。不良は計18個。

\[P = \frac{6}{18} = \frac{1}{3}\]

「結果(不良)から原因(どの機械か)をさかのぼる」——条件付き確率のこの使い方は、病気の検査や迷惑メール判定を支える考え方(ベイズの考え方)の入り口だ。生産量の多いAのほうが不良を出しそうなのに、答えは1/3——直観より計算が信頼できる場面だよ。

よくあるまちがい

その1:P_A(B) と P(A∩B) の混同。 「めがねの人が左ききの確率」(4/16)と「めがねで左ききの人を全体から選ぶ確率」(4/40)はちがう質問。分母がどこかを毎回確認しよう。

その2:もどす・もどさないの読み落とし。 くじを「もどして」引けば2回目も 3/10 のまま。もどさなければ 2/9。問題文の設定が確率を決める。

れんしゅう

Q1 きほん

学級40人中、めがね16人、めがねで左きき4人。めがねの人の中で左ききの確率は?「1/4」のように書いてね。

Q2 きほん

トランプ52枚から1枚。赤とわかったとき、それがハートの確率は?「1/2」のように書いてね。

Q3 ふつう

10本中3本当たりのくじを順に2本引く(もどさない)。2本とも当たる確率は 1/□。□は?

Q4 ふつう

同じくじで、1本目外れ・2本目当たりの確率は 7/□。□は?

Q5 ふつう

P(A∩B) = ?(乗法定理)

Q6 チャレンジ

機械Aが60%(不良率1%)、Bが40%(不良率3%)で生産。不良品がA製である確率は 1/□。□は?

もっと れんしゅう

ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。