ステップ N11-4-1

恒等式

この ページで まなぶ こと

  • 恒等式と方程式の違いがわかる
  • 係数比較で未知の係数を決められるようになる

どんな値でも成り立つ等式が恒等式。両辺の同じ次数の係数はすべて一致する(係数比較法)。

方程式と恒等式 — 似て非なるもの

\[2x + 3x = 5x \qquad と \qquad 2x + 3 = 5x\]

左は x に何を入れても成り立つ——恒等式(こうとうしき)。右は x = 1 のときだけ成り立つ——方程式。S1章の「x + 1 = 1 + x はどんな等式?」の答えが、ここで正式デビューだ。

展開・因数分解の等式や乗法公式は、ぜんぶ恒等式。「=」という同じ記号を使っていても、主張の強さがまったく違うことを意識しよう。

係数比較法

恒等式には強力な性質がある。

両辺を整理したとき、同じ次数の項の係数はすべて等しい。

(もし係数が違えば、その差が0でない多項式になり、たかだか有限個のxでしか0にならず「どんなxでも成り立つ」に矛盾——背理法だ。)

例1 :x² + 5x + 6 = (x + 2)(x + a) がxについての恒等式となる a は?

右辺を展開して x² + (2 + a)x + 2a。係数を比較すると 2 + a = 5 かつ 2a = 6——どちらからも a = 3。2本の式が同じ答えを出すのは、恒等式が本物である証拠だ。

例2(数値代入法) :a(x − 1) + b(x + 1) = 3x + 1 が恒等式となる a、b は?

どんなxでも成り立つのだから、都合のよい値を代入してよい。x = 1 で 2b = 4、x = −1 で −2a = −2。よって a = 1、b = 2。(求めたあと、もとの式に戻して恒等式になることを確認するのが作法だよ。)

れんしゅう

Q1 きほん

恒等式はどれかな?

Q2 きほん

x² + ax + 8 = (x + 2)(x + 4) が恒等式となる a は?

Q3 ふつう

3x + 6 = a(x + 2) が恒等式となる a は?

Q4 ふつう

x² + bx + c = (x − 3)² が恒等式となる b は?(−6 のように書いてね)

Q5 チャレンジ

a(x + 1) + b(x − 1) = 5x + 1 が恒等式となる a は?

もっと れんしゅう

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