ステップ A5-2-1

積・商・合成関数の微分

この ページで まなぶ こと

  • 積の微分 (fg)′ = f′g + fg′ と商の微分をつかえるようになる
  • 合成関数の微分(連鎖律)をつかえるようになる

(fg)′ = f′g + fg′(一方ずつ微分してたす)。(f/g)′ = (f′g − fg′)/g²。合成関数は「外の微分 × 中の微分」——連鎖律がいちばんの働き者。

積の微分 — 「一方ずつ」の法則

(fg)′ = f′g′ ……であってほしいが、世界はそう甘くない。x² = x・x で試すと、f′g′ = 1・1 = 1。でも (x²)′ = 2x。不一致! 正しい規則は——

\[(fg)' = f'g + fg'\]

片方ずつ微分して、たす。証明は定義に戻ればできる:f(x+h)g(x+h) − f(x)g(x) に f(x)g(x+h) を引いてたす(ずらして引く——等比数列の和以来の常套手段!)と、2つの平均変化率に分かれて、極限がこの形になる。

例1 :(x・x)′ = 1・x + x・1 = 2x ✓ 今度は合った。

例2 :y = x² sin x の微分:y′ = 2x sin x + x² cos x(sin の微分は次ステップで出るが、先取りして cos だ)。

商の微分はこの応用で——

\[\left(\frac{f}{g}\right)' = \frac{f'g - fg'}{g^2}\]

分子は「上から先に、引く」。順序を逆にすると符号が逆転するので注意。

連鎖律 — 合成は「外×中」

y = (x² + 1)³ を微分したい。展開すれば6次式で微分できるが、面倒だ。ここで最強の規則——合成関数の微分(連鎖律)

\[\{f(g(x))\}' = f'(g(x)) \cdot g'(x)\]

外側を微分(中身はそのまま)× 中身を微分

例3 :y = (x² + 1)³。外は「3乗」→ 3(中身)²、中は x² + 1 → 2x。

\[y' = 3(x^2 + 1)^2 \cdot 2x = 6x(x^2 + 1)^2\]

検算:x = 1 で数値確認。h = 0.001 として ((1.001² + 1)³ − 8)/0.001 ≒ 24.02。公式では 6・1・4 = 24 ✓

なぜ「掛ける」のか。中身が2倍の速さで変わり、外側がその3倍の速さで反応するなら、全体は 2 × 3 = 6倍の速さで変わる——変化率のリレーは掛け算でつながる。

例4 :y = sin 3x。外は sin → cos(中身そのまま)、中は 3x → 3。y′ = 3cos 3x

例5 :y = 1/(x² + 1) = (x² + 1)⁻¹。負の指数(A2)でも規則は同じ:y′ = −(x² + 1)⁻²・2x = −2x/(x² + 1)²。商の公式を使わずに済んだ——連鎖律は商もカバーする万能選手だ。

よくあるまちがい

その1:(fg)′ = f′g′。 いちばん有名な誤り。x・x の反例をポケットに入れておこう。一方ずつ、たす

その2:連鎖律の「中身の微分」を忘れる。 (sin 3x)′ = cos 3x で止めるミス。外を微分したら、中身の微分を掛け忘れない——しっぽの ×3 まで。

れんしゅう

Q1 きほん

(fg)′ = ?

Q2 きほん

y = (x² + 1)³ の y′ = □x(x² + 1)²。□は?

Q3 きほん

y = sin 3x の y′ = □cos 3x。□は?

Q4 ふつう

y = x sin x の y′ = sin x + x □。□に入るのは?

Q5 ふつう

y = (2x + 1)⁴ の y′ = □(2x + 1)³。□は?

Q6 チャレンジ

y = (x³ + 1)² の y′ = □x²(x³ + 1)。□は?

もっと れんしゅう

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