ステップ A5-6-1

媒介変数表示

この ページで まなぶ こと

  • 媒介変数で表された曲線を読めるようになる
  • 媒介変数の微分 dy/dx = (dy/dt)/(dx/dt) をつかえるようになる

x = f(t)、y = g(t) で「時刻 t の点の位置」として曲線を描くのが媒介変数表示。円は x = cos t、y = sin t。接線の傾きは dy/dx = (dy/dt)/(dx/dt)——速度の比。

曲線を「動き」として描く

円 x² + y² = 1 を y = … の形にすると ±√(1 − x²) と2本に割れて扱いにくい。発想を変えよう——円は「ぐるぐる回る点の軌跡」だ。時刻 t に点がどこにいるかを言えばいい:

\[x = \cos t, \qquad y = \sin t\]

t を 0 から 2π まで動かすと、点は単位円を1周する(単位円の定義そのもの——A2)。この t を媒介変数(パラメータ)という。「曲線 = 方程式」から「曲線 = 運動の記録」への視点の転換だ。

例1 :x = 2cos t、y = 2sin t は半径2の円。x = cos t、y = sin 2t なら——リサージュ曲線という8の字。tを消すのが難しい曲線も、媒介変数なら自在に描ける。

例2(放物運動) :ボールを斜めに投げると、x = 20t(等速)、y = 20t − 5t²(重力で減速)。tを消去すると y = x − x²/80——放物線。「放物線」という名前の由来が、まさにこれだ。

媒介変数の微分 — 速度の比

接線の傾き dy/dx がほしい。tで動く点の横の速さが dx/dt、たての速さが dy/dt。傾きは「たての進み ÷ 横の進み」だから——

\[\frac{dy}{dx} = \frac{dy/dt}{dx/dt}\]

(連鎖律から正当化できる。分数のように「dtを約分」する形で覚えていい——ライプニッツの記法のうまさだ。)

例3 :円 x = cos t、y = sin t の t = π/4 での接線の傾きは?

dx/dt = −sin t、dy/dt = cos t。

\[\frac{dy}{dx} = \frac{\cos t}{-\sin t} = -\frac{1}{\tan t} \quad\xrightarrow{t = \pi/4}\quad -1\]

検算:t = π/4 の点は (1/√2, 1/√2)。円の接線は半径と垂直(G3)。半径の傾き1に垂直なら傾き −1 ✓ 幾何の定理と微分が同じ答えを出した。

例4 :x = t²、y = t³ の t = 1 での傾きは (3t²)/(2t) = 3t/2 → 3/2

よくあるまちがい

その1:dy/dx = (dx/dt)/(dy/dt) と上下逆にする。 傾きは「yの速さ ÷ xの速さ」。「たて÷よこ」の順は、一次関数の傾き(A1)以来ずっと同じだ。

その2:tと(x, y)の混同。 t は舞台裏の時計であって、グラフの軸ではない。「t = π/4 の点」を座標 (π/4, …) と書いたら誤り——座標は (cos π/4, sin π/4) だ。

れんしゅう

Q1 きほん

x = cos t、y = sin t が描く曲線は?

Q2 きほん

x = 3cos t、y = 3sin t の円の半径は?

Q3 きほん

dy/dx = ?

Q4 ふつう

x = t²、y = t³ の t = 1 での dy/dx = 3/□。□は?

Q5 ふつう

x = 2t、y = t² の t = 2 での dy/dx = ?

Q6 チャレンジ

円 x = cos t、y = sin t の t = π/4 での接線の傾きは?(−1 のように書いてね)

もっと れんしゅう

ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。