ステップ A4-2-1
微分係数 — 瞬間の変化率
この ページで まなぶ こと
- 平均変化率の極限として微分係数を定義できる
- 微分係数=接線の傾きの意味がわかる
f′(a) = lim (h→0) { f(a + h) − f(a) }/h。区間の平均変化率で近づいていくと、行き先は「x = a での接線の傾き」=瞬間の変化率になる。
「瞬間の速さ」は矛盾か
ボールを落とすと、落ちた距離は時間の2乗に比例する:f(t) = 5t²(メートル、秒)。
「ちょうど1秒の瞬間の速さ」を知りたい。速さ = 距離 ÷ 時間……でも「瞬間」は時間の幅が0。0でわることはできない。詰んだ?
いや——極限という道具が、もう手の中にある。
幅を縮めて、行き先を見る
まず「1秒から (1 + h) 秒まで」の平均の速さ(平均変化率)を計算する:
\[\frac{f(1 + h) - f(1)}{h} = \frac{5(1 + h)^2 - 5}{h} = \frac{10h + 5h^2}{h} = 10 + 5h\]幅 h を縮めていく:h = 0.1 なら 10.5、h = 0.01 なら 10.05、……行き先は明らかに——
\[\lim_{h \to 0} (10 + 5h) = 10\]瞬間の速さは 秒速10m。0でわる矛盾を、「幅を0に近づけた極限」がすり抜けた。前たんげんの 0/0 をほどく技が、まさにここで本番を迎えている。
一般に、この極限を x = a における微分係数 f′(a) という:
\[f'(a) = \lim_{h \to 0} \frac{f(a + h) - f(a)}{h}\]図で見る — 割線が接線になる
平均変化率は、グラフ上の2点 (a, f(a)) と (a + h, f(a + h)) を結ぶ直線の傾き(A1の変化の割合)。
h を縮めると、2点目が1点目にじわじわ近づき、直線はグラフに接する直線——接線に落ち着く。
\[f'(a) = x = a \text{ での接線の傾き}\]「瞬間の変化率」と「接線の傾き」——物理の言葉と幾何の言葉が、同じ極限を指している。
例1 :f(x) = x² の x = 3 での微分係数は?
\[f'(3) = \lim_{h \to 0} \frac{(3 + h)^2 - 9}{h} = \lim_{h \to 0} \frac{6h + h^2}{h} = \lim_{h \to 0} (6 + h) = 6\]例2 :f(x) = x² の x = −1 では? 同じ計算で f′(−1) = −2。傾きが負——グラフはそこで下り坂だ。左半分で下り、右半分で上る放物線の姿と一致する ✓
よくあるまちがい
その1:h に0を先に代入する。 0/0 になって行き止まり。まず約分、それから h → 0。順序がすべて。
その2:微分係数を「傾きの平均」と思う。 f′(a) は区間の平均ではなく、その1点での瞬間の値。平均変化率(幅あり)の極限(幅なし)——2つの概念の区別が微分の心臓部だ。
れんしゅう
f(x) = x² の平均変化率 ((3 + h)² − 9)/h を約分すると 6 + □。□は?
f(x) = x² の f′(3) = ?
微分係数 f′(a) の図形的な意味は?
f(x) = x² の f′(5) = ?
f(x) = x² の f′(−1) = ?(−2 のように書いてね)
f(t) = 5t²(落下距離)の t = 2 での瞬間の速さは秒速何m?
接線とは?
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!