ステップ G6-1-1

複素数平面と絶対値

この ページで まなぶ こと

  • 複素数を平面の点として図示できるようになる
  • 絶対値と共役複素数の意味(距離と鏡うつし)がわかる

z = a + bi を点 (a, b) として描くのが複素数平面。絶対値 |z| = √(a² + b²) は原点からの距離。共役 z̄ = a − bi は実軸についての鏡うつしで、z z̄ = |z|²。

「見えない数」に住所を与える

虚数には数直線上の居場所がなかった(N11)。でも、直線の外ならどうだろう。

横軸に実部、たて軸に虚部——z = a + bi を点 (a, b) として描く。この平面を複素数平面という。3 + 2i は「右に3、上に2」の点。実数は横軸(実軸)上に、純虚数はたて軸(虚軸)上に住む。

複素数のたし算 (a + bi) + (c + di) = (a + c) + (b + d)i は、ベクトルの和とまったく同じ(成分ごとにたす——G5!)。複素数平面は、ベクトルの平面に「かけ算」という新機能を積んだものなんだ。

絶対値 — 原点からの距離

\[|z| = |a + bi| = \sqrt{a^2 + b^2}\]
例1 3 + 4i = √(9 + 16) = 5。三平方の定理が、また現れた。
実数のときの絶対値 −3 = 3(0からの距離——N8)と同じ心:** z は原点からの距離**だ。定義の拡張が、意味を保ったまま行われている。
例2 z₁ − z₂ 2点間の距離になる。 (3 + 4i)−(1 + 2i) 2 + 2i = 2√2。図形と方程式(G5)の距離公式が、複素数の引き算ひとつで書けた。

共役 — 実軸の鏡

z = a + bi の虚部の符号だけ変えた z̄ = a − bi共役複素数という。図では実軸についての鏡うつしだ。

共役には、覚える価値のある性質がひとつある:

\[z\bar{z} = (a + bi)(a - bi) = a^2 + b^2 = |z|^2\]

(和と差の積の公式——N10——が働いている。)複素数とその鏡を掛けると、実数になる

例3 :この性質は、複素数のわり算を「実数でわるわり算」に変える。

\[\frac{1}{1 + 2i} = \frac{1 - 2i}{(1 + 2i)(1 - 2i)} = \frac{1 - 2i}{5} = \frac{1}{5} - \frac{2}{5}i\]

分母の有理化(N10の √ の処理)と同じ発想——分母から虚数を追い出すのに、鏡を掛ける。

検算:(1/5 − 2i/5)(1 + 2i) = 1/5 + 2i/5 − 2i/5 − 4i²/5 = 1/5 + 4/5 = 1 ✓

よくあるまちがい

その1:絶対値に i を入れてしまう。 3 + 4i = √(3² + (4i)²) は誤り。絶対値は実部と虚部(実数)の2乗の和:√(3² + 4²)。虚部とは bi の b のことだ。
**その2: z ² と z² の混同。** z ² = z z̄ は実数。z² = (a + bi)² は一般に複素数。(1 + i)² = 2i と 1 + i ² = 2——別物だよ。

れんしゅう

Q1 きほん

3 + 2i を複素数平面に描くと点 (3, □)。□は?

Q2 きほん

|3 + 4i| = ?

Q3 きほん

z = 5 + 3i の共役複素数は 5 − □i。□は?

Q4 ふつう

|5 + 12i| = ?

Q5 ふつう

z = 2 + i のとき z z̄ = ?

Q6 ふつう

|i| = ?

Q7 チャレンジ

(3 + 4i) と (1 + 2i) の距離は |2 + 2i| = 2√□。□は?

もっと れんしゅう

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