ステップ G5-2-1
ベクトルの意味と演算
この ページで まなぶ こと
- ベクトルの相等・和・差・実数倍を、図と成分の両方で扱えるようになる
- 成分表示で計算し、大きさを求められるようになる
ベクトルは「向きと大きさ」の量。矢印で描き、成分 (a₁, a₂) で計算する。和は「つぎたし」(成分ごとにたす)、実数倍は伸縮。大きさは |a→| = √(a₁² + a₂²)。
大きさだけでは足りない量
「時速5kmで歩く」だけでは、1時間後にどこにいるかわからない——どっちへ歩くかが要る。向きと大きさをセットにした量がベクトル、記号は a→ や AB→(AからBへの矢印)。
矢印の場所はどこでもいい。長さと向きが同じなら同じベクトル——「東へ3km」は、どこから出発しても「東へ3km」だ。
成分表示 — 矢印を数のペアに
座標平面で「x方向に3、y方向に4」進む矢印を a→ = (3, 4) と書く。これでベクトルの計算は座標の計算になる。
大きさ(矢印の長さ)は三平方の定理で——
\[|\vec{a}| = \sqrt{a_1^2 + a_2^2}\]例1 :a→ = (3, 4) の大きさは √(9 + 16) = 5。
たし算は「つぎたし」
a→ のあとに b→ をつぎたして進んだ結果が a→ + b→。成分では単純に——
\[(a_1, a_2) + (b_1, b_2) = (a_1 + b_1, a_2 + b_2)\]例2 :(3, 1) + (1, 2) = (4, 3)。「東へ3北へ1」進んでから「東へ1北へ2」進めば、合計「東へ4北へ3」——あたりまえのことが、そのまま計算規則になっている。
実数倍 k a→ は矢印の伸縮:2a→ は同じ向きに2倍、−a→ は逆向き。成分では k(a₁, a₂) = (ka₁, ka₂)。
差 a→ − b→ は a→ + (−b→)。図では「b→ の先から a→ の先へ」の矢印になる。
例3 :a→ = (3, 1)、b→ = (1, 2) のとき 2a→ − b→ = (6, 2) − (1, 2) = (5, 0)。
位置ベクトルと図形
原点Oから点Aへの矢印 OA→ を、点Aの位置ベクトルという。点の場所をベクトルで語れると、図形の関係が式になる:
例4 :A(1, 2)、B(5, 6) の中点Mの位置ベクトルは?
\[\vec{OM} = \frac{\vec{OA} + \vec{OB}}{2} = \left(\frac{1+5}{2}, \frac{2+6}{2}\right) = (3, 4)\]中点 = 位置ベクトルの平均。前たんげんの中点公式が、ベクトルの言葉で再登場した。
例5 :AB→ の成分は「終点 − 始点」:AB→ = (5 − 1, 6 − 2) = (4, 4)。
よくあるまちがい
| その1:大きさとベクトルの混同。 | a→ | = 5 は「長さが5」という数。a→ そのものは向きを持つ量で、「a→ = 5」とは書けない。 |
その2:AB→ を「始点 − 終点」で計算。 正しくは終点から始点を引く。A(1, 2) から B(5, 6) へ「進む量」は (5 − 1, 6 − 2)——移動先から出発点を引くと進んだ分が出る。
れんしゅう
a→ = (3, 4) の大きさ |a→| は?
(3, 1) + (1, 2) のx成分は?
3a→、a→ = (2, −1) のy成分は?(−3 のように書いてね)
a→ = (3, 1)、b→ = (1, 2) のとき 2a→ − b→ のx成分は?
A(1, 2)、B(5, 6) のとき AB→ のx成分は?
a→ = (6, 8) の大きさは?
A(2, 3)、B(8, 7) の中点の位置ベクトルのx成分は?
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!