ステップ A8-2-1
特性方程式と解の重ね合わせ
この ページで まなぶ こと
- 特性方程式で定数係数2階線形微分方程式を解けるようになる
- 解の重ね合わせの原理(線形性)がわかる
y″ + ay′ + by = 0 に y = e^(λt) を試すと、λの二次方程式(特性方程式)λ² + aλ + b = 0 に化ける。異なる実数解 λ₁、λ₂ なら一般解は y = C₁e^(λ₁t) + C₂e^(λ₂t)——解はたして良い(重ね合わせの原理)。
2階でも、eˣ が効く
\[y'' - 5y' + 6y = 0\]未知関数の2階微分まで入った方程式。攻め方は1階と同じ発想だ——「微分しても形の変わらない関数」y = e^(λt) を試しに入れてみる。y′ = λe^(λt)、y″ = λ²e^(λt) だから——
\[(\lambda^2 - 5\lambda + 6)e^{\lambda t} = 0\]e^(λt) は決して0でない(A2)ので、括弧が0——
\[\lambda^2 - 5\lambda + 6 = 0 \qquad (特性方程式)\]微分方程式が二次方程式に化けた。解は λ = 2、3。つまり e^(2t) と e^(3t) がどちらも解だ。
重ね合わせの原理 — 線形の御利益
さらに強力な事実:y₁ と y₂ が解なら、C₁y₁ + C₂y₂ も解。微分は線形写像(L2!)だから、「微分して0になるものの和も0になる」——解の集合はベクトル空間(核 Ker そのもの)なのだ。2階なら次元は2、基底が e^(2t) と e^(3t)——
\[y = C_1 e^{2t} + C_2 e^{3t} \qquad (一般解)\]任意定数が2個あるのは、2階だから(初期条件も位置 y(0) と速度 y′(0) の2個必要——投げたボールの未来は、位置と速度がそろって初めて決まる)。
例1 :y″ − 5y′ + 6y = 0、y(0) = 3、y′(0) = 7 を解こう。
C₁ + C₂ = 3、2C₁ + 3C₂ = 7——連立方程式(N9・L1!)を解いて C₁ = 2、C₂ = 1。
\[y = 2e^{2t} + e^{3t}\]検算:y(0) = 3 ✓ y′ = 4e^(2t) + 3e^(3t)、y′(0) = 7 ✓
例2 :y″ − y = 0。特性方程式 λ² = 1 → λ = ±1。一般解 y = C₁e^t + C₂e^(−t)。
例3(重解) :y″ − 4y′ + 4y = 0 は λ = 2 の重解。基底が1本足りない——このときは te^(2t) が2本目の解になり(代入して確認できる)、y = (C₁ + C₂t)e^(2t)。二次方程式の重解(N10)が、解空間にも影を落とす。
固有値との再会
行列で書くと正体が見える。v→ = (y, y′) とおけば、この方程式は v→′ = Av→ という行列の微分方程式で、特性方程式はAの固有値の方程式そのもの(L2)。e^(λt) のλは固有値、解の基底は固有ベクトル方向の運動——「くり返し変換の未来は固有値が決める」(対角化のたんげん)の連続時間版だ。
よくあるまちがい
その1:任意定数を1個にする。 2階の一般解には独立な定数が2個。1個では初期条件2つに応えられない。
その2:重解で e^(2t) を2回書く。 C₁e^(2t) + C₂e^(2t) = (C₁ + C₂)e^(2t) は実質1本——te^(2t) が必要だ。
れんしゅう
y″ − 5y′ + 6y = 0 の特性方程式の解のうち大きいほうは?
小さいほうは?
y₁、y₂ が解なら C₁y₁ + C₂y₂ も解——この原理の名は?
2階線形微分方程式の一般解の任意定数はいくつ?
y″ − 7y′ + 12y = 0 の特性方程式の解のうち大きいほうは?
例1で C₁ = 2、C₂ = 1 のとき y(0) = ?
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!