ステップ N9-2-2
等式の性質と 移項
この ページで まなぶ こと
- 等式の性質(両辺に同じ操作をしてよい)を使って方程式を解けるようになる
- 移項がなぜできるのかを、等式の性質から説明できるようになる
つり合ったてんびんの両側に同じ操作をしてもつり合いは保たれる——これが等式の性質。この性質の「近道」として、項は符号を変えて反対側へ移せる(移項)。
てんびんの両側に同じことをする
つり合ったてんびんを思いうかべよう。両側に同じ重さをのせても、両側から同じ重さを取りのぞいても、両側の重さを同時に2倍にしても、つり合いはくずれない。
等式もまったく同じで、次の4つの操作をしても等式は成り立ったままだ。これを等式の性質という。
\(A = B \ ならば \quad A + C = B + C \qquad A - C = B - C\) \(A \times C = B \times C \qquad A \div C = B \div C \quad (Cは0でない)\)
この性質だけを使って、方程式を解いてみよう。作戦はただひとつ——操作をくり返して、最後に「x = 数」の形だけを残すことだ。
例1 :x + 3 = 8 を解く。
左辺を x だけにしたいから、じゃまな「+3」を消したい。両辺から3をひく。
\(x + 3 - 3 = 8 - 3\) \(x = 5\)
例2 :x − 4 = 9 を解く。こんどは「−4」がじゃまだから、両辺に4をたす。
\(x - 4 + 4 = 9 + 4\) \(x = 13\)
例3 :3x = 12 を解く。x が3個ぶんあるのだから、両辺を3でわる。
\(3x \div 3 = 12 \div 3\) \(x = 4\)
例4 :x/5 = 2 を解く。5でわられているのだから、逆に両辺に5をかける。
\(\frac{x}{5} \times 5 = 2 \times 5\) \(x = 10\)
どの例も、「x に何がされているか」を見て、その逆の操作を両辺にしている。たし算の逆はひき算、かけ算の逆はわり算だ。
移項 — 性質から生まれる近道
例1をもう一度よく見てみよう。
\[x + 3 = 8 \quad \rightarrow \quad x = 8 - 3\]左辺にあった「+3」が消えて、右辺に「−3」が現れている。これは魔法ではなく、「両辺から3をひいた」結果を1行にまとめただけだ。
例2でも同じことが起きている。
\[x - 4 = 9 \quad \rightarrow \quad x = 9 + 4\]左辺の「−4」が、右辺では「+4」になった。つまり——
項は、符号を変えれば、等号の反対側へ移すことができる。
これを移項(いこう)という。いちいち「両辺から〜をひく」と書かずにすむ、とても便利な近道だ。ただし正体はあくまで等式の性質。「なぜ符号が変わるの?」と聞かれたら、「両辺に同じ操作をした結果だから」と答えられるようにしておこう。
移項を使って解く
例5 :2x + 1 = 7 を解く。
\(2x = 7 - 1 \qquad (+1を右辺へ移項)\) \(2x = 6\) \(x = 3 \qquad (両辺を2でわる)\)
検算:x = 3 をもとの式に入れると 2 × 3 + 1 = 7 ✓
例6 :4x − 7 = 9 を解く。
\(4x = 9 + 7 \qquad (−7を右辺へ移項)\) \(4x = 16\) \(x = 4\)
検算:4 × 4 − 7 = 9 ✓
例7 :x をふくむ項が両辺にあるとき。5x = 3x + 8 を解く。
\(5x - 3x = 8 \qquad (3xを左辺へ移項)\) \(2x = 8\) \(x = 4\)
検算:左辺 5 × 4 = 20、右辺 3 × 4 + 8 = 20 ✓
例8 :全部の技を使う。7x − 3 = 4x + 9 を解く。
\(7x - 4x = 9 + 3 \qquad (xの項は左へ、数の項は右へ)\) \(3x = 12\) \(x = 4\)
検算:左辺 7 × 4 − 3 = 25、右辺 4 × 4 + 9 = 25 ✓
「xの項を左辺へ、数だけの項を右辺へ」が定石。移項するたびに符号が変わることだけ、ていねいに確認しよう。
よくあるまちがい
まちがい1:符号を変え忘れる
\[x + 3 = 8 \quad \rightarrow \quad x = 8 + 3 = 11 \quad ✗\]検算すると 11 + 3 = 14 ≠ 8。成り立たない。移項では必ず符号が変わる。
まちがい2:かけ算の係数まで「移項」してしまう
\[2x = 6 \quad \rightarrow \quad x = 6 - 2 = 4 \quad ✗\]検算すると 2 × 4 = 8 ≠ 6。移項できるのはたし算・ひき算でつながった項だけ。係数の2は「両辺を2でわる」で処理する(x = 3 が正解)。
まちがえたかどうかは、答えをもとの式に代入すればすぐわかる。解いたら検算——この習慣が、方程式をまちがえない一番の近道だよ。
れんしゅう
x + 5 = 12 を解こう。x = ?
x − 6 = 4 を解こう。x = ?
4x = 20 を解こう。x = ?
3x − 2 = 13 を解こう。x = ?
2x + 9 = 3 を解こう。x = ?
6x = 2x + 20 を解こう。x = ?
5x − 4 = 3x + 8 を解こう。x = ?
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!