ステップ S3-1-1
写像と単射・全射
この ページで まなぶ こと
- 写像の定義(各要素にちょうど1つ対応)がわかる
- 単射・全射・全単射を判定できるようになる
写像 f : A → B は「Aの各要素にBの要素をちょうど1つ」対応させる規則。かぶらないのが単射、B全体に届き切るのが全射、両方みたすのが全単射(完全なペア対応)。
関数を、集合の言葉で
y = 2x + 1 のような「数から数」だけが関数ではない。生徒に誕生日を対応させる、多角形に頂点の数を対応させる——集合Aの各要素に、集合Bの要素をちょうど1つ対応させる規則を写像(しゃぞう)といい、
\[f : A \to B\]と書く。Aを定義域、a ∈ A のうつり先 f(a) を a の像という。
「ちょうど1つ」が肝心だ。対応先がない要素があってはだめ、2つにうつるのもだめ。「人に、その子どもを対応させる」は写像でない(子どもがいない人も、2人いる人もいる)——規則ならなんでも写像になるわけではない。
単射と全射 — 2つの品質
写像の「品質」を測る2つの性質がある。
単射(injection):かぶらない。ちがう要素はちがう要素にうつる——a ≠ a′ なら f(a) ≠ f(a′)。
全射(surjection):届き切る。Bのどの要素も、誰かのうつり先になっている。
両方みたすものが全単射(bijection):AとBの要素が完全に1対1のペアになる。
例1 :f : 実数 → 実数、f(x) = 2x + 1。
単射? 2x + 1 = 2x′ + 1 なら x = x′——かぶらない ✓ 全射? どんな y も x = (y − 1)/2 から届く ✓ 全単射だ。
例2 :f : 実数 → 実数、f(x) = x²。
f(1) = f(−1) = 1——かぶる。単射でない。y = −1 には誰も届かない。全射でもない。
例3 :終域を変えると運命が変わる。f : 実数 → 0以上の実数、f(x) = x² なら、全射にはなる(どの y ≧ 0 にも √y が届く)。全射かどうかは終域の決め方しだい——写像は「規則+定義域+終域」の3点セットなのだ。
例4 :f : 自然数 → 自然数、f(n) = 2n。かぶらないから単射。でも奇数には届かない——全射でない。
有限集合なら「個数」の話になる
要素数mの集合からnの集合への写像で——
- 単射がありうる ⇔ m ≦ n(かぶらず配るには席が足りないと無理)
- 全射がありうる ⇔ m ≧ n(届き切るには手数がいる)
- 全単射がありうる ⇔ m = n
「全単射がある ⇔ 個数が同じ」。あたりまえに見えるこの一行が、次のたんげんで無限集合の個数を測る物差しに化ける。楽しみにしていて。
よくあるまちがい
その1:単射と全射の取りちがえ。 単射は「入力側がかぶらない」、全射は「出力側が埋まる」。矢印の図を描いて、根元と先端のどちらの話かを確かめよう。
その2:終域を無視して全射を判定する。 例3のとおり、同じ式でも終域がちがえば答えが変わる。「どこへの写像か」を確認してから判定を。
れんしゅう
写像の条件は?
「かぶらない」写像は?
実数から実数への f(x) = 2x + 1 は?
実数から実数への f(x) = x² は?
自然数から自然数への f(n) = 2n は?
3人の生徒を2つの班に分ける写像で、単射は作れる?(作れるなら1、作れないなら0)
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!