ステップ A7-2-1
重積分と逐次積分
この ページで まなぶ こと
- 重積分の意味(柱の体積の総和)がわかる
- 逐次積分(1変数ずつ2回積分)で計算できるようになる
∬f(x, y)dxdy は「底面dxdy × 高さf」の柱を領域全体でたした体積。計算は逐次積分——まずxで積分(yは定数扱い)、次にyで積分。長方形領域なら順序はどちらでも同じ(フビニの定理)。
面の上に積み上げる
曲面 z = f(x, y) の下の体積を測りたい。リーマン和(A6)の発想をそのまま次元アップする——領域を小さな長方形(底面積 ΔxΔy)に刻み、各マスに高さ f の柱を立てて、全部たす。刻みを細かくした極限が重積分だ:
\[\iint_D f(x, y)\, dx\, dy\]逐次積分 — 1変数を2回
計算は、体積を「スライスの面積の積み上げ」(A5の回転体と同じ思想)と読み替えればいい。yを止めてxで積分すると、位置yでの断面積 S(y) が出る。それをyで積分すれば体積——
\[\iint_D f\, dx\, dy = \int_c^d \left(\int_a^b f(x, y)\, dx\right) dy\]偏微分の相棒だ:偏微分が「1変数ずつ微分」なら、重積分は「1変数ずつ積分」。
例1 :長方形 0 ≦ x ≦ 2、0 ≦ y ≦ 3 上で ∬xy dxdy を計算しよう。
内側(xで積分、yは定数):∫₀² xy dx = y[x²/2]₀² = 2y。
外側(yで積分):∫₀³ 2y dy = [y²]₀³ = 9。
検算:積の形 f = xy と長方形領域なら、積分はバラせる:(∫₀²x dx)(∫₀³y dy) = 2 × 4.5 = 9 ✓
例2 :同じ長方形で ∬(x + y)dxdy = ∫₀³(2 + 2y)dy = 6 + 9 = 15。
長方形領域なら、xが先でもyが先でも結果は同じ(フビニの定理——連続関数なら順序交換が正当化される。A6の厳密化の恩恵だ)。
領域が長方形でないとき
例3 :三角形領域(0 ≦ x ≦ 1、0 ≦ y ≦ x)で ∬1 dxdy = ?
「高さ1」の積分は領域の面積そのもの。内側:∫₀ˣ 1 dy = x。外側:∫₀¹ x dx = 1/2——三角形の面積 ✓
積分の上端が外の変数xに依存するのがポイント。領域の形が積分の範囲に翻訳される——ここが重積分の設計のしどころで、「先にyを走らせると範囲は0からxまで」のような領域の絵を描いてから式を立てるのが鉄則だ。
例4 :同じ三角形で ∬x dxdy = ∫₀¹ x・x dx = 1/3。板の質量(密度x)や重心の計算は、この型の積分でできている。
よくあるまちがい
その1:内側の積分で外の変数まで積分する。 内側の ∫…dx では yは定数。偏微分の「止める」感覚と同じ——いま走っている変数はどれかを常に明示。
その2:長方形でない領域で範囲を定数にする。 例3の内側の上端は x(定数1ではない)。領域の絵を描かずに式を写すと、ここで事故る。
れんしゅう
長方形 0 ≦ x ≦ 2、0 ≦ y ≦ 3 上の ∬xy dxdy = ?
同じ長方形上の ∬(x + y)dxdy = ?
∬1 dxdy の値の意味は?
長方形 0 ≦ x ≦ 1、0 ≦ y ≦ 1 上の ∬xy dxdy = 1/□。□は?
三角形(0 ≦ x ≦ 1、0 ≦ y ≦ x)上の ∬1 dxdy = 1/□。□は?
同じ三角形上の ∬x dxdy = 1/□。□は?
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!