ステップ P3-1-1
確率変数・期待値・分散
この ページで まなぶ こと
- 確率変数と確率分布の考え方がわかる
- 期待値と分散を計算し、線形性をつかえるようになる
結果に数を割り当てたものが確率変数X。期待値 E[X] = Σ(値×確率)は「確率で重みづけた平均」。分散 V[X] = E[(X − 期待値)²] はばらつき。E[aX + b] = aE[X] + b(線形性)。
偶然が決める数
さいころを振って出る目を X と書く。X は 1〜6 のどれかに確率つきでなる——このような「偶然が決める数」を確率変数、値と確率の対応表を確率分布という。
| Xの値 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 確率 | 1/6 | 1/6 | 1/6 | 1/6 | 1/6 | 1/6 |
期待値 — 確率で重みづけた平均
くじを何度も引いたら、平均していくらもらえるか。それが期待値 E[X] だ:
\[E[X] = \sum (値) \times (確率)\]例1 :さいころの目の期待値:(1 + 2 + … + 6)/6 = 21/6 = 3.5。「3.5の目」は存在しないが、たくさん振った平均は3.5に近づく(この「近づく」の正確な意味が次のたんげんの大数の法則だ)。
例2 :宝くじ1枚300円、賞金の期待値が150円なら——1枚ごとに平均150円損をする。期待値は「くじの適正価格」を教える。ギャンブルから生まれた確率論の、これが原点の問いだった。
期待値には線形性という強力な性質がある:
\[E[aX + b] = aE[X] + b \qquad E[X + Y] = E[X] + E[Y]\]和の期待値は期待値の和——XとYが独立でなくても成り立つ(Σの線形性——A3——がそのまま効く)。これが期待値計算の最強の武器だ。
例3 :コインを10回投げたときの表の回数の期待値は? 各回の表の回数(0か1)の期待値は1/2。線形性で 10 × 1/2 = 5回。二項分布の期待値 np が、線形性なら一行で出る。
分散 — ばらつきの物差し
「必ず100円」と「半々で0円か200円」——期待値はどちらも100円だが、危なさがちがう。ばらつきを測るのが分散:
\[V[X] = E[(X - \mu)^2] \qquad (\mu = E[X]、期待値からのずれの2乗の平均)\]平方根 √V[X] を標準偏差という(2乗で単位が変わったのを元に戻す——N10の平方根!)。
例4 :「半々で0か200」の分散は ((−100)² + 100²)/2 = 10000、標準偏差100円。「必ず100円」は分散0。危なさが数になった。
分散の変換則は V[aX + b] = a²V[X]——bのずらしはばらつきに影響せず、a倍はばらつきをa²倍にする(2乗の物差しだから)。
よくあるまちがい
その1:期待値を「よく出る値」と誤読。 さいころの期待値3.5は一度も出ない値。期待値は長期平均であって最頻値ではない。
その2:V[aX] = aV[X] とする。 正しくは a²倍。標準偏差なら a倍——「2乗の世界か、元の単位の世界か」を意識しよう。
れんしゅう
さいころの目の期待値は?(3.5 のように書いてね)
コインを10回投げたときの表の回数の期待値は?
E[X] = 3 のとき E[2X + 1] = ?
「半々で0円か200円」の分散は?
V[X] = 2 のとき V[3X] = ?
V[X] = 2 のとき V[X + 100] = ?
当たり確率 1/5、賞金1000円のくじの賞金の期待値は?
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!