ステップ A6-5-1

リーマン和と定積分の定義

この ページで まなぶ こと

  • リーマン和による定積分の定義がわかる
  • 区分求積法で和の極限を積分に変換できるようになる

区間を刻み、各小区間の高さ×幅をたしたのがリーマン和。刻みを細かくした極限が定積分の定義。連続関数は必ず積分可能。逆向きに使えば「和の極限」が積分で計算できる(区分求積法)。

「短冊の極限」を正式な定義に

A4では「細い短冊に刻んで足し、極限をとる」と言葉で説明した。これを定義に昇格させよう。

区間 [a, b] を n 個の小区間に刻む。各小区間から点 xᵢ を選び——

\[\text{リーマン和} = \sum_{i=1}^{n} f(x_i)\, \Delta x \qquad (\Delta x は小区間の幅)\]

高さ×幅の総和——短冊の面積の合計だ。刻みを細かくしていくとき、点の選び方によらずリーマン和が一つの値に収束するなら、f は積分可能といい、その極限を ∫ₐᵇ f(x)dx と定める。

「選び方によらず」が効いている。各小区間でいちばん高いところを選んだ和(上和)といちばん低いところ(下和)が同じ値に挟まっていけば合格——はさみうち(A5)の構図だ。そして——

閉区間上の連続関数は、必ず積分可能。

連続なら、刻みを細かくすれば各小区間内の高低差が一様に小さくなり(ここで閉区間のコンパクト性が働く)、上和と下和の差が消える。A4以来「面積」と呼んできたものの存在証明だ。

区分求積法 — 定義を逆向きに使う

定義は「和の極限=積分」。逆から読めば、複雑な和の極限が積分で計算できる。

例1

\[\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n}\left\{\left(\frac{1}{n}\right)^2 + \left(\frac{2}{n}\right)^2 + \cdots + \left(\frac{n}{n}\right)^2\right\}\]

これは f(x) = x² を [0, 1] で n 等分したリーマン和(幅 1/n、高さ (i/n)²)。よって——

\[= \int_0^1 x^2\, dx = \frac{1}{3}\]

Σ公式(A3)で計算すれば n(n+1)(2n+1)/6n³ → 2/6 = 1/3 ✓ 2つの道が同じ答え——定義が正しく機能している証拠だ。

例2 :lim (1/n)Σ(i/n) = ∫₀¹ x dx = 1/2。形のコツ:「1/n」が幅、「i/n」が位置。この2つが見えたら区分求積のサインだ。

積分できない関数もいる

「有理数で1、無理数で0」という関数(ディリクレ関数)では、どの小区間にも1と0が混在し(有理数の稠密性——N11)、上和は常に1、下和は常に0——永遠に一致しない。積分不可能。「積分可能」は無条件のあたりまえではなく、関数の資格なのだ。(この関数さえ扱える、より広い積分——ルベーグ積分——が大学数学のさらに先で待っている。)

よくあるまちがい

その1:右端・左端の選び方で答えが変わると思う。 積分可能な関数ならどの選び方でも同じ極限に着く。それが定義の要求だから。逆に、選び方で変わる関数は積分不可能。

その2:区分求積で幅の 1/n を落とす。 Σf(i/n) だけでは短冊の高さの合計にすぎない。×1/n(幅)があってはじめて面積になる。

れんしゅう

Q1 きほん

リーマン和とは?

Q2 きほん

閉区間上の連続関数は?

Q3 きほん

lim (1/n)Σ(i/n)² = ∫₀¹ x² dx = 1/□。□は?

Q4 ふつう

lim (1/n)Σ(i/n) = 1/□。□は?

Q5 ふつう

区分求積法で「1/n」が表すのは?

Q6 チャレンジ

ディリクレ関数(有理数で1、無理数で0)は?

もっと れんしゅう

ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。