ステップ P4-1-2
散布図と相関係数
この ページで まなぶ こと
- 散布図から相関の正負・強弱を読めるようになる
- 相関係数の意味と「相関≠因果」がわかる
2つの量の結びつきは散布図で見て、相関係数 r(−1 ≦ r ≦ 1)で測る。r > 0 は右上がり(正の相関)、r < 0 は右下がり。r = ±1 は一直線。そして——相関があっても因果とは限らない。
2つの量は、手をつないでいるか
身長と体重、気温とアイスの売上——2つの量のペアのデータは、横軸と縦軸に打った散布図で見る。点の雲が右上がりなら「一方が大きいと他方も大きい」——正の相関。右下がりなら負の相関。雲が丸くばらけていたら相関なし。
強さを1つの数にしたのが相関係数 r:
\[r = \frac{(xのずれ × yのずれ)の平均}{xの標準偏差 × yの標準偏差} \qquad −1 \le r \le 1\]分子(共分散)は「xが平均より上のとき、yも上か?」を符号で拾う。x、yがそろって動けば正が積もり、逆に動けば負が積もる。標準偏差でわって単位を消せば、−1から1の普遍的な物差しになる(実はこれ、ベクトルのなす角の cos——内積を長さでわった式(G5・L2)と同じ形だ。r = ±1 は「完全に平行」=一直線)。
例1 :r = 0.9——強い正の相関(点はほぼ右上がりの直線ぞい)。r = −0.2——弱い負の相関。r = 0——直線的な関係はない。
例2 :気温とアイス売上は r > 0、気温とおでん売上は r < 0。数字ひとつで「結びつきの向きと強さ」が語れる。
相関は因果ではない — 統計リテラシーの核心
例3 :「アイスの売上」と「水難事故の件数」には強い正の相関がある。ではアイスを禁止すれば事故が減る?——もちろん違う。両方を動かしている第3の変数、気温(交絡因子)がいるだけだ。
\[相関がある \nRightarrow 因果がある\]考えられる構図は少なくとも3つ:AがBの原因/BがAの原因/共通の原因Cが両方を動かす。散布図と r は「結びつき」しか教えない——向きも仕組みも教えない。因果を言うには、実験(無作為化)やより深い分析が要る。「〜と相関があった」というニュースをどう読むか——数学ハイウェイで学ぶ最後の、そして日常でいちばん使う武器かもしれない。
例4 :r = 0 でも安心できない。放物線状の関係(U字)では、強く結びついていても直線的でないため r ≒ 0 になる。相関係数は直線的な結びつき専用の物差し——散布図を見ずに r だけ読むのは危険だ。
よくあるまちがい
その1:相関から因果へ飛ぶ。 例3のアイスと水難事故。交絡因子を疑うのが第一歩——「両方を動かす第3の量はないか?」
その2:r = 0 を「無関係」と読む。 U字の関係は r ≒ 0。正しくは「直線的な関係がない」。散布図とセットで判断する。
れんしゅう
右下がりの散布図の相関は?
相関係数 r の範囲は −1 ≦ r ≦ □。□は?
r = 1 のとき散布図は?
アイス売上と水難事故の相関の正体は?
「相関がある」から言えるのは?
U字型の強い関係の相関係数は?
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!