ステップ P4-2-1

標本平均と信頼区間

この ページで まなぶ こと

  • 母集団と標本のちがい、標本平均の分布がわかる
  • 95%信頼区間 x̄ ± 2σ/√n を作れるようになる

標本平均 x̄ は母平均のまわりに標準誤差 σ/√n でばらつく正規分布(中心極限定理)。だから「x̄ ± 2×標準誤差」の区間が母平均を含む確率は約95%——95%信頼区間。

一部で全体を知る、その理屈

湖の魚の平均体長を知りたい。全部は獲れない——100匹だけ獲って測る。全体(母集団)の平均 μ を、標本の平均 x̄ で推し量るわけだが……x̄ は偶然に左右される。獲り直せば違う値が出る。どれくらい信じていいのか?

答えは前章にある。中心極限定理(P3)より、標本平均 x̄ は——

  • 中心:母平均 μ(ねらいは正しい)
  • ばらつき:σ/√n(標本を増やすと √n で縮む)——標準誤差という
  • 形:正規分布(nが大きければ)

x̄ は「μを中心に、標準誤差の幅で震える矢」なのだ。

95%信頼区間 — 幅つきの答え

正規分布の95%は μ ± 2σ の中(68-95ルール——P3)。だから x̄ は95%の確率で μ ± 2 × (σ/√n) に落ちる。これを裏返すと——

\[\bar{x} \pm 2 \cdot \frac{\sigma}{\sqrt{n}} \qquad が \mu を含む確率 \approx 95\%\]

95%信頼区間という。「点」でなく「」で答え、その幅の信頼度まで宣言する——統計の誠実さの形式だ。

例1 :魚100匹の標本平均 30cm、母標準偏差 σ = 5cm とする。標準誤差 = 5/√100 = 0.5。95%信頼区間は——

\[30 \pm 1 \quad すなわち \quad 29 \text{cm} 〜 31 \text{cm}\]

例2 :精度を2倍にしたい(幅を半分にしたい)なら、標本は何倍必要? 標準誤差は σ/√n——4倍の400匹だ。√n の法則(P3)は、調査のコスト計算そのものになる。

例3(支持率) :1000人調査で支持率50%なら、標準誤差 = √(0.5 × 0.5/1000) ≒ 1.6%。95%信頼区間は 50 ± 3.2%。ニュースの「誤差±3%」の出どころが、これだ。

「95%」の正しい読み方

微妙だが大事な点。区間を作ったあとでは、μは入っているか入っていないかのどちらか(確率ではない)。95%の意味は——この作り方で区間を100回作れば、約95回は母平均を捕まえる——という手続きの成功率だ。「矢が的に当たる率」であって「的が動く率」ではない。

(実際には母標準偏差σも未知なので標本から推定する——nが小さいときの補正がt分布。ここでは「nが大きければσの推定値でほぼOK」とだけ知っておけば十分だ。)

よくあるまちがい

その1:標準偏差と標準誤差の混同。 σは個々のデータのばらつき、σ/√n は標本平均のばらつき。信頼区間に使うのは後者——√n を忘れると幅が10倍になったりする。

その2:「μが95%の確率でこの区間にいる」と読む。 動く(ばらつく)のは区間のほう。95%は区間の作り方の成功率——上の的当ての比喩で覚えよう。

れんしゅう

Q1 きほん

σ = 5、n = 100 の標準誤差は?(0.5 のように)

Q2 きほん

x̄ = 30、標準誤差0.5の95%信頼区間は 30 ± ?

Q3 きほん

標本平均のばらつきが縮む速さは?

Q4 ふつう

幅を半分にするには標本を何倍に?

Q5 ふつう

σ = 6、n = 9 の標準誤差は?

Q6 チャレンジ

「95%」の正しい意味は?

もっと れんしゅう

ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。