ステップ A9-1-1
ベクトル場・発散・回転
この ページで まなぶ こと
- ベクトル場の意味と絵の読み方がわかる
- 発散 div(湧き出し)と回転 rot(渦)を計算し、直観と結べる
各点に矢印を配ったものがベクトル場 F = (F₁, F₂)。div F = ∂F₁/∂x + ∂F₂/∂y は「その点からの湧き出し量」、rot は「その点のまわりの渦の強さ」。勾配・発散・回転が場の微分3兄弟。
各点に矢印を配る
天気図の風向きの矢印たち——場所 (x, y) ごとにベクトルが決まっている。これがベクトル場だ:
\[\vec{F}(x, y) = (F_1(x, y),\ F_2(x, y))\]例1 :F = (x, y)——各点で「原点から遠ざかる向き」の矢印。爆発のように湧き出す流れ。
例2 :F = (−y, x)——各点で位置ベクトルと垂直(内積 = −xy + xy = 0! G5)。原点のまわりをぐるぐる回る流れだ。
湧き出しと渦——流れの2大個性を、微分で数値化しよう。
発散 div — 湧き出しの量
\[\operatorname{div} \vec{F} = \frac{\partial F_1}{\partial x} + \frac{\partial F_2}{\partial y}\]意味:その点の小さな箱から、正味どれだけ流れ出しているか。x方向の流れが右で強まっていれば(∂F₁/∂x > 0)箱から出ていく量が入る量を上回る——その総和だ。
例3 :湧き出しの場 F = (x, y):div F = 1 + 1 = 2——たしかに正(湧き出し)✓
回転の場 F = (−y, x):div F = 0 + 0 = 0——回るだけで湧き出しなし ✓(水のような非圧縮の流れは div = 0 が合言葉。)
回転 rot — 渦の強さ
\[\operatorname{rot} \vec{F} = \frac{\partial F_2}{\partial x} - \frac{\partial F_1}{\partial y} \qquad (平面ではこの1成分)\]意味:その点に小さな水車を置いたとき、どれだけ回されるか。
例4 :回転の場 F = (−y, x):rot F = 1 − (−1) = 2——たしかに回る ✓
湧き出しの場 F = (x, y):rot F = 0 − 0 = 0——放射状の流れに渦はない ✓
勾配場と保存力
勾配 ∇f(A7)もベクトル場だ——勾配場という。重力場や静電場がこの型で、勾配場には特別な性質がある:
\[\operatorname{rot}(\nabla f) = \frac{\partial^2 f}{\partial x \partial y} - \frac{\partial^2 f}{\partial y \partial x} = 0\](偏微分の順序交換——なめらかな関数では∂x∂yと∂y∂xが等しい。)勾配場は渦なし。物理でいう保存力(位置エネルギーを持つ力)の判定条件 rot = 0 の正体がこれだ。逆に「渦なしなら勾配場か?」——単連結な領域ではYES。この逆向きの主張が、次の積分定理の世界で正確になる。
よくあるまちがい
その1:div と rot の式の混同。 div は「x成分をxで、y成分をyで」(同族の対角線)、rot は「たすき掛けの差」。行列式のたすき(L1)を思い出すと混ざらない。
その2:場のベクトルと位置ベクトルの混同。 F(1, 2) = (−2, 1) は「点 (1, 2) に立つ矢印が (−2, 1)」——2種類のベクトルが1文に共存する。どちらの話かを常に確かめよう。
れんしゅう
F = (x, y) の div F = ?
F = (−y, x) の rot F = ?
F = (−y, x) の div F = ?
F = (3x, 5y) の div F = ?
勾配場 ∇f の回転は?
F = (−4y, 3x) の rot F = ?
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!