ステップ P1-2-2
二項定理とパスカルの三角形
この ページで まなぶ こと
- (a + b)ⁿ の展開の係数が nCr になる理由がわかる
- 二項定理で特定の項の係数を求められるようになる
(a + b)ⁿ = Σ nCr aⁿ⁻ʳ bʳ。各項の係数は「n個のかっこのうち、bをどのr個から取るか」の選び方 nCr。係数を並べるとパスカルの三角形になる。
展開の係数のなぞ
乗法公式で (a + b)² = a² + 2ab + b²(N10)。がんばれば (a + b)³ = a³ + 3a²b + 3ab² + b³ も出せる。係数を並べると——
(a+b)¹ 1 1
(a+b)² 1 2 1
(a+b)³ 1 3 3 1
(a+b)⁴ 1 4 6 4 1
両どなりの和が下の段になる三角形——パスカルの三角形だ。1 + 3 = 4、3 + 3 = 6。でも、なぜ?
展開とは「選ぶこと」だった
(a + b)³ = (a + b)(a + b)(a + b) の展開を、分配法則の目で見直そう。展開の各項は、3つのかっこのそれぞれから a か b を1つずつ選んでかけたものだ。
a²b という項ができるのは、3つのかっこのうちどれか1つから b、残り2つから a を選んだとき。その選び方は——3つから1つ選ぶ ₃C₁ = 3通り。だから a²b の係数は3!
展開の係数の正体は組合せの数だった。一般に——
\[(a + b)^n = {}_n\mathrm{C}_0\,a^n + {}_n\mathrm{C}_1\,a^{n-1}b + {}_n\mathrm{C}_2\,a^{n-2}b^2 + \cdots + {}_n\mathrm{C}_n\,b^n\]これが二項定理。パスカルの三角形の「両どなりの和」の規則も、組合せの公式 nCr = n−1Cr−1 + n−1Cr(選ぶ集団に新入りを入れるか入れないかで場合分け!)そのものだ。
つかってみる
例1 :(a + b)⁵ の a³b² の係数は?
5つのかっこから b を2つ選ぶ:₅C₂ = 10。
例2 :(x + 2)⁴ の x² の係数は?
x²の項は ₄C₂ x² × 2² = 6 × 4 × x²。係数は 24。bの側に数がいるときは、その累乗も忘れずに。
例3 :₅C₀ + ₅C₁ + ₅C₂ + ₅C₃ + ₅C₄ + ₅C₅ = ?
二項定理で a = b = 1 とおくと、左辺は (1 + 1)⁵ = 2⁵ = 32。「5人のグループから何人選んでもよい選び方の総数 = 各人の入る/入らないで 2⁵」——数え上げの意味とも一致する ✓
検算:1 + 5 + 10 + 10 + 5 + 1 = 32 ✓
よくあるまちがい
その1:係数だけ拾って数の累乗を忘れる。 (x + 2)⁴ の x² の係数を ₄C₂ = 6 で止めるミス。2² = 4 がかかって24。「bの中身ごと2乗」だ。
その2:段の数えまちがい。 パスカルの三角形で (a + b)ⁿ に対応するのは「1 n …」で始まる段。上から数えるときは 1 だけの段(0段目)から数える習慣をつけると崩れない。
れんしゅう
(a + b)² の ab の係数は?
(a + b)³ の a²b の係数は?
パスカルの三角形で 1 4 6 4 1 の次の段のまん中(3番目)の数は?
(a + b)⁵ の a³b² の係数は?
(a + b)⁶ の a⁴b² の係数は?
(x + 2)⁴ の x² の係数は?
₆C₀ + ₆C₁ + … + ₆C₆ = ?
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!