ステップ A2-5-3
三角関数の合成
この ページで まなぶ こと
- a sin θ + b cos θ を1本の sin にまとめられるようになる
- 合成をつかって最大値・最小値を求められるようになる
a sin θ + b cos θ = √(a² + b²) sin(θ + α)。sinとcosの混ざった式は、実は1本の波。振幅 √(a² + b²) がわかれば最大・最小が一目で出る。
波+波=波
y = sin θ + cos θ のグラフを想像してみよう。2種類の波の足し合わせ——ぐちゃぐちゃになりそうだが、描いてみるときれいな1本の波になる。
じつは、どんな a sin θ + b cos θ も1本のsinにまとまる。これが合成だ。
\[a\sin\theta + b\cos\theta = \sqrt{a^2 + b^2}\,\sin(\theta + \alpha)\](αは cos α = a/√(a² + b²)、sin α = b/√(a² + b²) をみたす角。)
なぜまとまる? — 加法定理の逆再生
右辺を加法定理で展開してみると——
\[r\sin(\theta + \alpha) = r\cos\alpha\sin\theta + r\sin\alpha\cos\theta\]これが a sin θ + b cos θ と一致するには、r cos α = a、r sin α = b ならいい。2乗して足すと r²(cos²α + sin²α) = a² + b²、つまり r = √(a² + b²)。座標でいえば、点 (a, b) の原点からの距離が r、偏角が α。加法定理を逆向きに使っただけ——新しい魔法ではない。
例1 :sin θ + cos θ を合成しよう。
a = 1、b = 1。r = √2。点 (1, 1) の偏角は π/4。よって——
\[\sin\theta + \cos\theta = \sqrt{2}\sin\left(\theta + \frac{\pi}{4}\right)\]検算:θ = 0 を代入。左辺 = 0 + 1 = 1。右辺 = √2 sin(π/4) = √2 × 1/√2 = 1 ✓
例2 :sin θ + √3 cos θ を合成しよう。
r = √(1 + 3) = 2。点 (1, √3) の偏角は π/3(cos = 1/2、sin = √3/2 の角)。
\[\sin\theta + \sqrt{3}\cos\theta = 2\sin\left(\theta + \frac{\pi}{3}\right)\]最大・最小が一目でわかる
合成の最大の使いみちはこれだ。sin(θ + α) は必ず −1 以上 1 以下。だから——
a sin θ + b cos θ の最大値は √(a² + b²)、最小値は −√(a² + b²)
例3 :y = 3 sin θ + 4 cos θ の最大値は?
√(9 + 16) = √25 = 5。合成すれば一瞬——二次関数の平方完成が頂点を見せてくれたように、合成は波の振幅を見せてくれる。「式を、正体が見える形に書き直す」——数学ハイウェイでくり返し出会ってきた、あの発想だ。
よくあるまちがい
その1:最大値を a + b とする。 3 sin θ + 4 cos θ の最大値は 7 ではなく 5。sinとcosは同時に1にならない(sin²+cos²=1 だから!)。最大値は必ず √(a² + b²)。
その2:αの角を機械的に求めようとする。 αは「点 (a, b) の方向」。図に点を打てば、有名角なら一目でわかるし、そうでなくても cos α と sin α の値さえ言えれば十分だ。
れんしゅう
sin θ + cos θ = √□ sin(θ + π/4)。□は?
3 sin θ + 4 cos θ の最大値は?
sin θ + √3 cos θ = 2 sin(θ + π/□)。□は?
5 sin θ + 12 cos θ の最大値は?
3 sin θ + 4 cos θ の最小値は?(−5 のように書いてね)
y = sin θ + cos θ の最大値は √2。それを実現する θ は π/□。□は?
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!