ステップ A6-2-2
連続関数の2大定理
この ページで まなぶ こと
- 中間値の定理が実数の連続性から証明できることがわかる
- 最大値の定理の主張と、閉区間という条件の役割がわかる
閉区間上の連続関数について——(1) 中間値の定理:途中の値をすべてとる(二分法+実数の連続性で証明)。(2) 最大値の定理:最大値・最小値が必ず存在する。「閉区間」と「連続」はどちらも外せない。
保証書のない道具は使わない
A5で中間値の定理を使い、最大・最小問題(A2、A5)では「最大値がある」ことを疑いもしなかった。でも本当にあるのか? 厳密化の区間では、使ってきた道具に保証書を発行していく。
中間値の定理 — 二分法で証明する
主張 :f が閉区間 [a, b] で連続、f(a) < 0 < f(b) なら、f(c) = 0 となる c が (a, b) にある。
証明の心 :区間を半分に割り、符号が変わる側を選ぶ——をくり返す(二分法)。区間の左端の列は単調増加で有界。実数の連続性(前たんげん!)により収束し、その行き先 c で、連続性から f(c) = 0 が絞り出せる(もし f(c) > 0 なら、連続性よりcの近くで全部正——左端たちが符号変化を挟み続けたことに矛盾。f(c) < 0 も同様)∎
証明の部品は「実数の連続性」+「ε-δの連続」。A5で直観に頼った定理が、公理から組み上がった。有理数の世界では偽になる(f(x) = x² − 2 は有理数の範囲に零点がない)ことも、いまや明快だ——土台の連続性がないからだ。
最大値の定理
主張 :閉区間 [a, b] 上の連続関数は、最大値と最小値を必ずとる。
2つの条件がどちらも外せないことを、反例で確かめよう。
例1(閉区間でないと) :f(x) = 1/x を開区間 (0, 1] で見ると、x → 0 でいくらでも大きくなり、最大値はない。
例2(連続でないと) :[0, 1] 上で「x = 0.5 だけ値0、他は x」という不連続な関数は、0.5 の直前までいくらでも 0.5 に近づくのに、その値をとる点がない——最大値なし。
例3(そろえば安泰) :f(x) = x³ − 3x を [0, 2] で——連続・閉区間なので最大値の存在は計算する前から保証され、あとは候補(極値と端)の比較で場所を特定するだけ(A4でやった手順の正当化!)。
「存在の保証」と「場所の特定」は別の仕事だ。微分は場所を教えるが、存在を保証していたのはこの定理だった。
「閉じている」ことの力
なぜ閉区間だと上手くいくのか。閉区間は「端が含まれ、逃げ場がない」——数列が区間内でどう動いても、行き先(の候補)が区間の中に必ずある(これも実数の連続性の帰結)。この「逃げ場のなさ」を一般化した概念がコンパクト性——位相(S4)で再会する、解析学の背骨のひとつだ。
よくあるまちがい
その1:開区間で最大値を探す。 (0, 1) 上の f(x) = x に最大値はない(1に届かない)。定理の適用前に区間が閉じているかを確認する癖を。
その2:定理の逆を主張する。 「最大値を持つなら連続」は偽(不連続でもたまたま最大値を持つ関数はいくらでもある)。定理は一方通行——S2の「逆は必ずしも真ならず」だ。
れんしゅう
中間値の定理の証明に使った実数の性質は?
最大値の定理の2条件は?
(0, 1] 上の f(x) = 1/x に最大値は?
有理数の世界で中間値の定理が偽になる例は?
[0, 2] 上の f(x) = x³ − 3x の最大値は?
「閉区間の逃げ場のなさ」を一般化した概念は?
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!