ステップ A6-4-2
収束判定法
この ページで まなぶ こと
- 比較判定法とダランベールの判定法をつかえるようになる
- Σ1/n² の収束と、テイラー展開が全実数で収束することがわかる
比較判定法——0 ≦ aₙ ≦ bₙ で Σbₙ 収束なら Σaₙ も収束。ダランベールの判定法——隣り合う項の比 aₙ₊₁/aₙ → r が r < 1 なら収束。Σ1/n² は収束(π²/6!)、Σxⁿ/n! はどんなxでも収束。
比べて判定する
正の項の級数 Σaₙ の収束を、行き先を計算せずに判定したい。頼れるのは単調有界列の収束定理(このたんげんの土台)だ——部分和は単調増加だから、上に抑えられれば収束が確定する。
比較判定法 :0 ≦ aₙ ≦ bₙ で Σbₙ が収束するなら、Σaₙ も収束する(部分和が Σbₙ で上から抑えられるから)。
例1 :Σ1/n² は収束するか。1/n² ≦ 1/(n(n − 1)) = 1/(n − 1) − 1/n(部分分数!)で、右側の級数は望遠鏡式に打ち消し合って 1 に収束。抑えられた——収束 ∎
行き先の値そのものは、じつは π²/6(バーゼル問題、オイラーの名解答)。円周率が突然現れる不思議——数学の深部はつながっている。1/n(調和級数)は発散、1/n² は収束——指数1と2の間のどこかに、収束と発散の境界線が走っている。
ダランベールの判定法 — 比で見る
隣り合う項の比 aₙ₊₁/aₙ が r に収束するとき——
- r < 1 → 収束(いずれ等比級数なみに減るから、等比級数と比較)
- r > 1 → 発散(項が育ってしまい0に向かわない)
- r = 1 → 判定不能(1/n も 1/n² も r = 1——境界線上は感度不足)
例2 :Σ n/2ⁿ。比は ((n+1)/2ⁿ⁺¹)/(n/2ⁿ) = (n + 1)/(2n) → 1/2 < 1——収束。分子のnの成長を、分母の2ⁿが圧倒する(多項式 vs 指数——A2以来の力関係)。
例3(テイラー展開の保証書) :eˣ = Σxⁿ/n! はどんなxでも収束するのか。比をとると——
\[\frac{|x|^{n+1}/(n+1)!}{|x|^n/n!} = \frac{|x|}{n+1} \longrightarrow 0 < 1\]どんなxでも収束 ∎ 階乗の成長は、どんな指数関数をも最後には追い抜く。前たんげんのテイラー展開が安心して使えるのは、この判定のおかげだ。sin・cos の展開も同様に全実数で収束する。
よくあるまちがい
その1:r = 1 で結論を出す。 ダランベールが r = 1 を返したら「わからない」が正解。別の道具(比較判定法など)に切りかえる。
その2:比較の向きを逆にする。 「大きいほうが収束→小さいほうも収束」「小さいほうが発散→大きいほうも発散」。この2つだけが正しい推論。「小さいほうが収束」からは何も言えない。
れんしゅう
Σ1/n² は?
ダランベールの判定法で収束と言えるのは?
Σ n/2ⁿ の隣接項の比の極限は 1/□。□は?
比の極限が1のとき、ダランベールの判定は?
Σxⁿ/n! の収束範囲は?
Σ1/(n(n+1)) の和は?(望遠鏡式に打ち消して)
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!