ステップ A3-1-2

等比数列

この ページで まなぶ こと

  • 等比数列の一般項 aₙ = a₁rⁿ⁻¹ を導けるようになる
  • 等比数列の和の公式を「ずらして引く」で導けるようになる

一定の倍率 r(公比)でならぶ数列が等比数列。第n項は aₙ = a₁rⁿ⁻¹。和は Sₙ = a₁(rⁿ − 1)/(r − 1)——「r倍してずらして引く」と途中が全部消える。

たすかわりに、かける

3、6、12、24、48、…

今度は「2ずつ」進む列だ。となり合う項のがつねに一定の数列を等比数列、その倍率 r を公比という。

一般項は、初項に r を (n − 1) 回かけて——

\[a_n = a_1 r^{n-1}\]

例1 :3、6、12、… の第7項は 3 × 2⁶ = 192

例2 :初項5、公比3の第4項は 5 × 3³ = 135

等差数列が一次関数の親戚なら、等比数列は指数関数の親戚(A2)。細菌の増殖も複利の預金も、足あとを並べれば等比数列だ。

和の公式 — ずらして引くと、途中が消える

S = 3 + 6 + 12 + 24 + 48 を一気に求めたい。ガウスの逆順は効かない(ペアの和がそろわない)。等比数列には別の魔法がある——全体を公比倍してみるのだ。

  S = 3 +  6 + 12 + 24 + 48
 2S =      6 + 12 + 24 + 48 + 96

下から上を引くと、まん中がぜんぶ消えて——

\[2S - S = 96 - 3 \quad\Longrightarrow\quad S = 93\]

一般化すると、r ≠ 1 のとき——

\[S_n = \frac{a_1(r^n - 1)}{r - 1}\]

例3 :初項3、公比2、5項の和:S₅ = 3(2⁵ − 1)/(2 − 1) = 3 × 31 = 93 ✓(上の手計算と一致)

例4 :初項1、公比3の4項の和:(3⁴ − 1)/2 = 80/2 = 40。検算:1 + 3 + 9 + 27 = 40 ✓

この「ずらして引く」は、二項定理の証明や、ずっと先の無限級数(A6)でも使い回す一生ものの技だ。手を動かして一度自分で消してみてほしい。

倍々の威力

例5 :「1日目に1円、2日目に2円、4円、8円…と30日間もらう」——総額は?

S₃₀ = 2³⁰ − 1 ≒ 10億7千万円。等比数列の和は、末項のほぼ公比/(公比 − 1) 倍——つまり最後の1項が全体の約半分を占める。指数的な成長の直観に反する怖さがここにある。

よくあるまちがい

その1:rⁿ⁻¹ を rⁿ にする。 第n項までに公比をかける回数は n − 1 回。等差の (n − 1)d と同じ「植木算」だ。

その2:r = 1 で和の公式を使う。 分母が0になってしまう。公比1の数列は同じ数のくり返しだから、和はただの na₁——場合分けを忘れずに。

れんしゅう

Q1 きほん

等比数列 3、6、12、… の公比は?

Q2 きほん

初項3、公比2の等比数列の第5項は?

Q3 きほん

1 + 3 + 9 + 27 = ?

Q4 ふつう

初項5、公比3の等比数列の第4項は?

Q5 ふつう

初項3、公比2の初項から第5項までの和は?

Q6 ふつう

初項1、公比2の初項から第10項までの和は?

Q7 チャレンジ

等比数列 2、6、18、… で162が現れるのは第何項?

もっと れんしゅう

ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。