ステップ S2-2-2
対偶による 証明
この ページで まなぶ こと
- 直接示しにくい命題を、対偶に言いかえて証明できるようになる
もとの命題と対偶は真偽が一致する(S1章)。だから対偶を証明すれば、もとの命題も証明したことになる。「結論の否定」が扱いやすいときに有効。
裏口から攻める
\[n^2 が偶数ならば、n は偶数である\]これを直接証明しようとすると、「n² = 2k から n を求める」ことになり、√が出てきてやっかいだ。
そこで S1章の切り札を思い出そう。もとの命題と対偶は、真偽がつねに一致する。つまり、対偶を証明できれば、もとの命題も証明できたことになる!
対偶を作る:「nが偶数でない(=奇数)ならば、n²は偶数でない(=奇数)」。
こちらは直接証明がすんなり通る。n = 2m + 1 とおくと——
\[n^2 = (2m + 1)^2 = 4m^2 + 4m + 1 = 2(2m^2 + 2m) + 1\]2×(整数)+1 の形だから n² は奇数。対偶が証明できたので、もとの命題「n²が偶数ならばnは偶数」も真。∎
いつ対偶に切りかえるか
見きわめのサインはこれだ。
- 仮定「n²が偶数」より、結論の否定「nが奇数」のほうが具体的に書ける(2m+1とおける)
- 「〜でない」の形の結論は、否定するとむしろ「〜である」になって扱いやすい
例2 :「n²が3の倍数でないならば、nは3の倍数でない」——対偶は「nが3の倍数ならば、n²は3の倍数」。n = 3m とおけば n² = 9m² = 3(3m²)。一瞬で終わる。∎
方向を変えるだけで、険しい山道が舗装路になる。論理の同値変形は、証明の抜け道を作る技術なんだ。
れんしゅう
Q1
きほん
「n²が偶数ならばnは偶数」の対偶はどれかな?
かいせつ対偶は、仮定と結論をそれぞれ否定して入れかえたもの。「nは偶数」の否定「nは奇数」が仮定に、「n²は偶数」の否定「n²は奇数」が結論になるから、「nが奇数ならばn²は奇数」だよ。
Q2
きほん
対偶を証明すると、もとの命題はどうなる?
かいせつもとの命題と対偶は真偽がつねに一致する(S1章)。だから対偶が真だと証明できた時点で、もとの命題も証明されたことになるんだ。
Q3
ふつう
奇数 n = 2m + 1 の2乗 n² = 2(2m² + 2m) + □。□は?
かいせつ(2m + 1)² = 4m² + 4m + 1 = 2(2m² + 2m) + 1 だから□は1。2×(整数)+1 の形なので、n²は奇数だとわかるよ。
Q4
ふつう
「n + 5 が偶数ならば、nは奇数」を対偶で証明するとき、示すべきことはどれかな?
かいせつ対偶は、結論の否定「nは偶数」を仮定に、仮定の否定「n + 5 は奇数」を結論にしたもの。だから示すべきは「nが偶数ならば n + 5 は奇数」——n = 2m とおけば n + 5 = 2(m + 2) + 1 ですぐ示せるよ。
Q5
チャレンジ
対偶による証明が有利になるのはどんなとき?
かいせつ「n²が偶数ならばnは偶数」では、結論の否定「nが奇数」のほうが 2m + 1 と具体的におけた。こんなふうに結論の否定が式で表しやすいとき、対偶に切りかえると証明がすんなり通るんだ。
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!