ステップ G4-2-2

余弦定理

この ページで まなぶ こと

  • 余弦定理 a² = b² + c² − 2bc cos A をつかえるようになる
  • 3辺から角の cos を求められるようになる

a² = b² + c² − 2bc cos A。三平方の定理に「直角でないぶんの補正項 −2bc cos A」が付いた一般化。2辺と間の角→残りの辺、3辺→角、の両方向に使える。

三平方の定理を、直角のない世界へ

三平方の定理 a² = b² + c² が使えるのは A = 90° のときだけ。Aが90°からずれたら a² はどうなる? 答えがこれだ。

\[a^2 = b^2 + c^2 - 2bc\cos A\]

余弦定理という。A = 90° なら cos A = 0 で補正項が消え、三平方の定理そのものに戻る。古い定理は新しい定理の特別な場合——数学の拡張のいつもの風景だ。

Aが鋭角(cos A > 0)なら a² は b² + c² より小さく、鈍角(cos A < 0)なら大きくなる。「角を開けば向かいの辺が伸びる」という直観と、符号がぴったり合っている。

なぜ成り立つ? — 座標に載せて三平方

頂点Aを原点に、辺ABをx軸上に置く。C の座標は、三角比の定義(斜辺 b、角 A)から C(b cos A, b sin A)。B は B(c, 0)。2点間の距離を三平方の定理で計算すると——

\[a^2 = (b\cos A - c)^2 + (b\sin A)^2\]

展開して——

\[a^2 = b^2\cos^2 A - 2bc\cos A + c^2 + b^2\sin^2 A\] \[= b^2(\cos^2 A + \sin^2 A) + c^2 - 2bc\cos A\]

ここで sin²A + cos²A = 1(相互関係!)を使えば——

\[a^2 = b^2 + c^2 - 2bc\cos A \quad ∎\]

証明の部品は、座標・三平方・相互関係。これまでの装備が全部つながった。

2つの使いかた

使いかた1(2辺と間の角 → 残りの辺)

例1 :b = 3、c = 5、A = 60° のとき a は?

\[a^2 = 3^2 + 5^2 - 2 \cdot 3 \cdot 5 \cdot \cos 60° = 9 + 25 - 30 \cdot \frac{1}{2} = 19\]

a > 0 だから a = √19

検算:もし A = 90° なら a² = 34。鋭角だから34より小さいはず。19 < 34 ✓

例2 :b = 2、c = 3、A = 120° のとき a は?

a² = 4 + 9 − 2・2・3・(−1/2) = 13 + 6 = 19。a = √19。鈍角なので補正項がプラスに転じて辺が伸びた。

使いかた2(3辺 → 角) 式を cos A について解くと——

\[\cos A = \frac{b^2 + c^2 - a^2}{2bc}\]

例3 :3辺が a = √7、b = 2、c = 3 の三角形の角Aは?

\[\cos A = \frac{4 + 9 - 7}{2 \cdot 2 \cdot 3} = \frac{6}{12} = \frac{1}{2}\]

cos A = 1/2 となる角は A = 60°。3辺さえわかれば、分度器なしで角が求まる!

よくあるまちがい

その1:cos に使う角のとりちがえ。 a² を求める式に入るのは、a の向かいの角 A の cos。b² + c² と組むのは「その2辺にはさまれた角」と覚えよう。

その2:鈍角のときの符号ミス。 cos 120° = −1/2 を掛けると −2bc cos A はプラスになる。マイナス×マイナスの処理(N8)をていねいに。

れんしゅう

Q1 きほん

余弦定理 a² = b² + c² − 2bc cos A で、A = 90° のとき式はどうなる?

Q2 きほん

b = 3、c = 5、A = 60° のとき a² は?

Q3 ふつう

b = 4、c = 5、A = 60° のとき a² は?

Q4 ふつう

b = 2、c = 3、A = 120° のとき a² は?

Q5 ふつう

a = √7、b = 2、c = 3 のとき cos A = 1/□。□は?

Q6 チャレンジ

3辺が 3・5・7 の三角形で、7の向かいの角の cos は −1/□。□は?

Q7 チャレンジ

前の問題の角は何度?

°

もっと れんしゅう

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