ステップ G4-1-3
鈍角の三角比 — 半円で定義しなおす
この ページで まなぶ こと
- 半径1の半円をつかって 0°〜180° の三角比を定義できる
- 120°・135°・150°などの三角比の値を求められるようになる
半径1の半円上の点 P(x, y) について、cos θ = x、sin θ = y と定義しなおす。鋭角では前の定義と一致し、鈍角では cos θ が負になる。sin(180° − θ) = sin θ、cos(180° − θ) = −cos θ。
直角三角形の限界
三角形の角は鈍角(90°より大きい角)のこともある。ところが「直角三角形の辺の比」という定義では、θは90°未満しかありえない——直角三角形にはもう直角がひとつあるから。sin 120° を語りたければ、定義を拡張する必要がある。
数学ではこういうとき、古い定義と矛盾せず、より広く使える定義に乗りかえる。負の数(N8)や指数の拡張と同じ、おなじみの手続きだ。
半径1の半円で定義しなおす
座標平面に、原点Oを中心とする半径1の半円(x軸の上側)を描く。x軸の正の向きから角θだけ回った半径OPを引き、Pの座標を (x, y) とする。
\[\cos\theta = x \qquad \sin\theta = y \qquad \tan\theta = \frac{y}{x}\]θが鋭角のとき、OPを斜辺とする直角三角形を作ると、斜辺1・隣辺x・対辺y。だから 隣辺/斜辺 = x/1 = x = cos θ——前の定義とぴったり一致する。古い世界はそのまま、新しい世界が開く。
θが鈍角のとき、Pは y 軸の左側に来る。すると——
- x座標は負 → cos θ < 0、tan θ < 0
- y座標は正のまま → sin θ > 0
例1 :θ = 120°。Pは60°のときの点と y 軸について対称の位置にある。60°の値(cos 60° = 1/2、sin 60° = √3/2)から——
\[\cos 120° = -\frac{1}{2}, \qquad \sin 120° = \frac{\sqrt{3}}{2}\]検算:sin²120° + cos²120° = 3/4 + 1/4 = 1 ✓ 相互関係は新しい定義でも生きている(Pが半径1の円上にあり x² + y² = 1 だから)。
180° − θ の公式
例1の「y 軸について対称」を一般化すると、θ と 180° − θ の点は y 軸対称で、y座標が同じ・x座標が符号だけ反対。つまり——
\[\sin(180° - \theta) = \sin\theta \qquad \cos(180° - \theta) = -\cos\theta\]例2 :sin 150° = sin 30° = 1/2、cos 150° = −cos 30° = −√3/2。
例3 :境界の値も座標から読める。θ = 90° では P(0, 1) だから sin 90° = 1、cos 90° = 0。θ = 180° では P(−1, 0) だから sin 180° = 0、cos 180° = −1。θ = 0° では P(1, 0)。定義がひとつあれば、暗記はいらない。
よくあるまちがい
その1:鈍角なのに cos を正にしてしまう。 cos 120° = 1/2 は誤り。鈍角の点Pは y 軸の左、x座標は負——図を描けばまちがえない。
その2:tan 90° を計算しようとする。 θ = 90° では x = 0。tan θ = y/x は0でわることになるので定義されない(N3のわり算以来のルール!)。
れんしゅう
鈍角θの cos θ の符号は?
sin 90° = ?
cos 180° = ?(−1 のように書いてね)
sin 150° = 1/□。□は?
cos 120° = −1/□。□は?
sin 135° = 1/√□。□は?
tan 90° は?
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!