ステップ A9-2-2
面積分と流束
この ページで まなぶ こと
- 流束(面を貫く流れの量)の考え方がわかる
- 単純な面での面積分を計算できるようになる
面積分 ∬F・n dS は「面の各小片を、垂直に貫く成分だけ積む」=流束。nは面の単位法線ベクトル。閉じた面からの流束は「中身の湧き出しの総量」——発散定理の予感。
網を通り抜ける水の量
川に網を張る。1秒間に網を通り抜ける水の量は? 網の各小片(面積 dS)を通る量は、流れ F のうち面に垂直な成分だけ——面に平行な流れは通り抜けに寄与しない。垂直方向の単位ベクトル(法線 n→)との内積をとって積み上げる:
\[\Phi = \iint_S \vec{F} \cdot \vec{n}\, dS \qquad (流束、フラックス)\]線積分が「道に沿う成分」を拾ったように、面積分は「面を貫く成分」を拾う。内積が2度も主役を張る——ベクトル解析は内積の物語だ。
例1 :一様な流れ F = (0, 0, 3)(真上に速さ3)が、xy平面上の面積5の板を貫く流束は?
法線は真上 n→ = (0, 0, 1)。F・n→ = 3(どこでも一定)。Φ = 3 × 5 = 15。「流速×面積」——素朴な直観と一致 ✓
例2 :同じ流れで板を斜め45°に傾けると? F・n→ = 3cos 45° = 3/√2。貫く量は cos の分だけ減る——太陽光が斜めに当たると弱い(季節の理由!)のと同じ幾何学だ。
閉じた面 — 中身の収支を測る
風船のような閉じた面(内外を仕切る面)での流束は、特別な意味を持つ。法線を外向きにとれば——
\[\Phi = 出ていく量 - 入ってくる量 = 中身の正味の湧き出し\]例3 :湧き出しの場 F = (x, y, z) が、原点中心・半径1の球面を貫く流束は?
| 球面上では F は法線とちょうど同じ向き(原点から放射状)で、大きさ | F | = 1。よって F・n→ = 1—— |
(球の表面積 4πr²——G2の公式がここで登板。)
さて、この 4π を別の方法でも出せる:div F = 3(前たんげん)を球の体積 (4/3)π で積むと 3 × (4/3)π = 4π——一致! 「面の流束 = 中身の発散の総量」。これは偶然ではなく——次のステップの発散定理そのものだ。
よくあるまちがい
その1:法線の向きを決めずに計算する。 流束の符号は法線の向き(表裏)で反転する。閉曲面では外向きが約束。開いた面では問題文の指定を確認。
その2:面積分と重積分の混同。 重積分(A7)は平らな領域での積み上げ、面積分は曲がった面の上。平らな面なら両者は一致する——面積分は重積分の一般化だ。
れんしゅう
流れ (0, 0, 3) が水平な面積5の板を貫く流束は?
流束に効くのは F のどの成分?
F = (x, y, z) の単位球面での流束は □π。□は?
div(x, y, z) = ?
閉曲面の法線の約束は?
半径2の球面での F = (x, y, z) の流束は □π。□は?
もっと れんしゅう
ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。
クリア! よく できました!