ステップ L2-1-2

一次独立・基底・次元

この ページで まなぶ こと

  • 一次独立・一次従属を判定できるようになる
  • 基底と次元の意味がわかり、座標との関係がわかる

どのベクトルも他の組み合わせで作れないとき一次独立。空間の全員を作れて(生成)かつ一次独立な組が基底、その本数が次元。基底を選ぶと、すべてのベクトルに一意の座標が付く。

「本質的に何本か」を数える

R² のベクトルは、e₁ = (1, 0) と e₂ = (0, 1) の組み合わせで全部作れる:(3, 2) = 3e₁ + 2e₂。2本で足りる。1本では足りない(1本の実数倍は直線しか描けない)。平面は「本質的に2本」でできている——この感覚を定義にしよう。

ベクトルの組 v₁、…、vₖ の一次結合とは c₁v₁ + … + cₖvₖ の形の式。そして——

一次独立 :c₁v₁ + … + cₖvₖ = 0 となるのが c₁ = … = cₖ = 0 のときだけ。つまりどの1本も他から作れない(全員が新しい方向を担っている)。

そうでないとき一次従属——誰かが冗長だ。

例1 :(1, 0) と (0, 1)——独立(c₁(1,0) + c₂(0,1) = (c₁, c₂) = 0 なら両方0)。

例2 :(1, 2) と (2, 4)——従属(2倍の関係。2v₁ − v₂ = 0)。2本あっても直線1本分の働きしかない。判定は行列式でもできる:det [[1, 2], [2, 4]] = 0——ぺしゃんこ(L1)は従属の別名だった。

基底 — 空間の「軸」の正式な選び方

空間Vのベクトルの組が——

  1. Vの全員を一次結合で作れる(生成する)
  2. 一次独立(無駄がない)

の両方をみたすとき、基底という。「過不足ない軸のセット」だ。

そして重要定理:どの基底を選んでも、本数は同じ。この共通の本数が空間の次元 dim V だ。

例3 :R² の基底は {(1, 0), (0, 1)} でも {(1, 1), (1, −1)} でもよい。どれも2本——dim R² = 2。

例4 :2次以下の多項式 P₂ の基底は {1, x, x²}——dim P₂ = 3。「多項式の空間は3次元」という言い方が、正確な意味を持った。

基底 {v₁, …, vₙ} を選ぶと、どのベクトルも v = c₁v₁ + … + cₙvₙ とただ一通りに書ける(一意性は一次独立から出る)。この (c₁, …, cₙ) が座標——デカルトの座標(G5)は「基底を選ぶ」行為だったのだ。

自由度の正体

連立方程式の不定解(L1)「x = 3 − t、y = t」を思い出そう。解全体は1本のパラメータで動く——解空間の次元が1ということだ。「自由度」という曖昧だった言葉が、次元という定義済みの言葉になった。データ科学で「100次元のデータ」と言うときも、意味はまったく同じ——独立な軸が100本

よくあるまちがい

その1:「本数が多い=生成できる」と思う。 (1, 2) と (2, 4) は2本あってもR²を生成しない(従属だから直線どまり)。本数と独立性は別のチェック項目だ。

その2:基底の一意性と次元の一意性の混同。 基底の選び方は無数にある。一意なのは本数(次元)——「どんな物差しでも長さは同じ」に似た定理だ。

れんしゅう

Q1 きほん

(1, 2) と (2, 4) は?

Q2 きほん

(1, 0) と (0, 1) は?

Q3 きほん

dim R³ = ?

Q4 ふつう

2次以下の多項式空間 P₂ の次元は?

Q5 ふつう

(3, 2) = c₁(1, 0) + c₂(0, 1) の c₁ は?

Q6 ふつう

2本のベクトルが従属かどうか、行列式でどう判定?

Q7 チャレンジ

解が「x = 3 − t、y = t」と書ける解空間(対応する斉次方程式の解空間)の次元は?

もっと れんしゅう

ボタンを おすと、あたらしい もんだいが でて くるよ。なんかいでも れんしゅう できるよ。